豊中計装株式会社

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参考資料3・LANの耐ノイズ性とユニバーサルラインについて

スイッチングハブが世に出るようになってからLAN環境が大きく変わりました。一世代前のリピータハブの場合、遅延・信号劣化等の具合で中継は4段までなど制限がありましたが、スイッチングハブの場合はそれぞれ別のネットワークのイメージですので信号劣化などがなく、理論的には何段でも可能なようです。

今後の接点信号監視・各種のアナログ計測あるいはエネルギー計測等によく使われる積算等の各種の監視計測と、省配線で多点の信号取り込みができるユニバーサルラインとの相性を調査しました。

①イーサネット信号の延長と耐ノイズ性

ケーブルの延長

カテゴリー5のLANケーブル1Km(100mx10)を100mごとにスイッチングハブで中継して通信試験を行いました。

直接の場合と1Kmの場合の差は見られませんでした。スイッチングハブ経由で中継すればいくらでも延長できそうです。

各社のハブを混在して試験を行いました
各社のハブを混在して中継した試験

ツイストケーブルのアンバランス

LANケーブルを中継した場合の中継箇所の接続状態による減衰の状態を確認するために、10mmピッチの端子台で圧着端子による突合せ中継をLANケーブルのツイストをほぐして接続して通信試験を行いました。

10mmピッチの空隙での接続ではエラー等はありませんでした。次に20cm程度ほぐした2線の間隔を10cm程度に広げて試験(下写真左)をすると、外界のノイズの影響のためか通信が途切れがちになりました。また、ペア線の一方の線のみを中継して線を延ばしてアンバランスなペア線とした試験(下写真右)には、15Cm程度のアンバランスまでは正常なデータ通信を行うことができました。

アンバランス用の電線を追加
LANケーブルをばらして端子台で中継

インバータノイズ試験

正常な接続状態でインバータのノイズ試験を行いました。

CP/IPプロトコルで伝送するイーサネット信号は、インバーターノイズ等には非常に強いことが確認できました。試験は3相220Vのインバータ経由で、回転中のモータの約100mのキャプタイヤケーブル(シールド無し)とテーピングをして密着配線をしたカテゴリー5のLANケーブルで通信試験を行いました。結果はエラー停止や伝送スピードの低下は見られずに正常な通信が長時間連続で行うことができた。通信試験はインターネットに接続してプロバイダの提供する回線スピードのプログラムで行ったが、インバータモータ回転時と元ブレーカを切断してノイズの無い時のスピードを比較しました。いずれの場合も30MBPSの良好な結果が得られました。

インバータのノイズ試験
キャプタイヤケーブル密着配線試験(試験インバータ三菱 FR-S520E)
測定結果
USEN 回線スピード試験

カテゴリー5以外の汎用ケーブルでの通信試験

100BaseT等のLANケーブルは通常2ペアしか使用していないので、CPEVの2ペア線等で代行しての試験を行いました。

0.65φの2Pでは手持ちの80mのCPEVでの通信は問題なく行えました。4芯の1.25Sqの多芯ケーブルMVVS(シールド付マイクコード)では60mでも通信できませんでした。やはりツイストが安定した通信には効果的と考えられます。

ケーブルのイメージ画像
左・MVVS / 電話用 計装用 制御用 データ送信等の通信回線用
右・MVVS / マイクロホンコード その他信号ケーブル用

②イーサネット信号とユニバーサルラインの相互に与える影響

多点の接点情報の送受信やアナログ計測が2芯で可能なユニバーサルラインがLANケーブルと混在して敷設された時、インターネットの高い周波数の信号がユニバーサルラインに与える影響と、逆にユニバーサルラインの低い周波数がTCP/IPの通信に与える影響を調査しました。

密着配線試験

上記①の試験で使用した動力線のインバータとモーターを切り離した約100mのキャプタイヤケーブルと、密着配線をしているLANケーブルを使って同様な試験を行いました。

インターネット側は上記①と同様にエラー停止や伝送スピードの低下は見られずに30MBPSの良好な結果が得られました。またユニバーサルライン側もエラーや信号の欠落、遅延は皆無で正常な通信が行えました。密着配線でも特に相互に及ぼす影響はみられません。

キャプタイヤケーブルとLANケーブルを密着させての実験

更なる密着配線試験(同一ケーブルでの通信と伝送)

通常の100Base-T等のLANケーブルは4Pの線のうち2Pは使用されていません。それを使用した伝送試験を行いました。

インターネット側もユニバーサルライン側もエラーや信号の欠落・遅延は皆無で正常な通信が行えました。

LANケーブルの予備線を使用した実験

同一ケーブルでの更なる長距離伝送試験

1本のLANケーブルでユニバーサルラインの伝送とインターネットの混在通信が、さらなる長距離の場合でも問題なく通信できるか試験を行いました。

同一ケーブルでの長距離の場合の実験

1000m(100mx10)のLANケーブルをハブで中継しました。インターネット側もユニバーサルライン側もエラーや信号の欠落、遅延は皆無で正常な通信が行えました。またスカイプを立ち上げて映像と音声の伝送をユニバーサルラインの伝送と同時に行ったが、画像の乱れやノイズの混入も無く正常な通信が行えました。(LANケーブルをハブで中継する場合は予備線の4,5,7,8ピンはハブ内部でグランドに接続されているので、事前に分岐してバイパスすることが必要です。)

試験結果
周波数が大きく異なるためか、LANとユニバーサルラインの相性は良好です。 既存LANの空き線を使用することにより、幹線の新設なしで多点の接点信号やアナログ計測信号の双方向伝送が行えるため、設置場所によっては大幅なコストダウンで集中管理が可能になります。

③LAN経由のユニバーサルライン信号のメリット・デメリット

➁と③についての説明

ユニバーサルラインの多重伝送とLANの変換ユニットPUX3を使用することにより、多点の信号のデータ収集を省配線でフレキシブルに管理することが可能になります。

■基本機器接続構成■

LANから直接多点管理を行った場合

パソコンからダイレクトにLAN経由の多点管理ができます。

■拡張機器接続構成1■ 更なる多点管理

ハブにポートの数だけ機器を接続して多点管理

各ハブにポートの数だけ接続できるユニバーサルラインはローカルIPアドレス分(254x254x254x254)の接続が可能になりそれぞれのユニバーサルラインは多数の伝送端末I/Oの接続が可能になります。そのため非常に多くの管理が1台のパソコン等で可能になります。

■拡張機器接続構成2■ PLC、電力線搬送による伝送

ユニバーサルラインのデータをLAN変換して更にPLCモデムで変換して電力線搬送することも可能です。

試験PLC  パナソニックBL-PA100KT、I/OデータPLC-ET/M-S
ユニバーサルラインのデータをLAN変換してさらにPLCモデムで変換して電力線搬送した場合

電力線は経路が分かっている分岐の少ない配線で、ノイズ機器の接続が無いことが重要です。社内試験ではVAケーブルで100mの接点信号等の伝送が可能でした。高周波インピーダンスが低く、ノイズの多いスイッチンング電源を内蔵した機器(パソコン、インバータ、UPS等)がフィルタ内の電力線に接続されると、てきめんに通信距離が下がります。

■インターネットでの通信■

LAN変換ユニットに個々の固定IPアドレスを割付て、異なる外部インターネットの回線経由でユニバーサルラインの128点の接点信号とアナログ信号を相互に伝送することが可能です。連続稼動させているとまれに欠落はありますが自動再接続機能がありますので、遠隔地の定期的な状態監視や計測に使えます。

監視盤を使用することでパソコンやソフトなしで各地の計測は監視が可能になります

上記の試験はユニバーサルラインの256接点を128点の入力と128点の出力に分けて、インターネット経由で双方向の接点通信を可能にしたものです。

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伝送システム・ユニバーサルラインの信頼性

簡易ケーブル静電容量計測法

電線の太さと伝送距離

電線の種類と分岐方法

高ノイズ環境の施工例

ノイズ試験1

ノイズ試験2

温度試験

▲温度、ノイズ、電線種別、サージ等各種の過酷な使用状況での試験をクリアしています。▲

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