豊中計装株式会社
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省配線システムの概要

省配線とは

1対(2本)の線で複数の信号を送ること。

【補足】
豊中計装の省配線システム・ユニバーサルラインなら1対の線で256点の信号を送ることができる。
ユニバーサルラインの特長としては「省配線」のほかに「長距離の伝送が可能」「多点監視可能」「ノイズに強い」等があります。

配線を減らすメリットについて

・省スペース化
・コストが抑えられる(配線費用、工事費用)
・予備の電線や、過去に使用していた電線を使用する場合は配線工事不要
・配線作業、メンテナンス、増設作業の軽減
・システム構築、施工時間短縮
・配線ミスの低減
・ライン変更が簡単

省配線の工事、省配線のシステムならユニバーサルライン

N:Nの接点で双方向通信が可能な伝送システム・ユニバーサルラインを使用すると、1対(2本)の省配線で256点までの接点信号が長距離伝送できます。従来256点の接点信号を伝送するには信号コモン線を含めて257本の線が必要ですがこのユニバーサルラインを使用すると、256点の接点信号を送るのに1対の線で可能になります。長距離の場合、省配線で電線の本数が少なくなることで工事が簡単になるうえ、大幅なコストダウンになるというメリットがあります。

省配線伝送のユニバーサルラインのイメージ。電線を選ばす、配線方法、分岐が自由。終端、ツイスト不要。

256信号の省配線伝送の場合の電線、ケーブル費用の比較

2sqのIV(30円/m)を使用して256点の接点信号を送る場合
配線方式 距離 100m 距離 1000m 距離 10Km 電線断面積
ぞろ引き配線 771,000円 7,710,000円 77,100,000円 密接で約60mm角
ユニバーサルライン(省配線) 6,000円 60,000円 600,000円 4mm x 8mm

ぞろ引き配線はコモン線1本の場合です。対にすると更に倍になります。

2sqのCVV 30芯 (1,000円/m)を使用して256点の接点信号を送る場合 伝送は2sqのCVV 2芯(90円)
配線方式 距離 100m 距離 1000m 距離 10Km ケーブル断面積
ぞろ引き配線9本 900,000円 9,000,000円 90,000,000円 密接で約90mm角
ユニバーサルライン(省配線) 9,000円 90,000円 900,000円 10φ

伝送距離が数㎞であれば0.65φの単線のCPEV等でも使用可能です。

256点の接点信号を送るために必要なユニット

標準品での構成になりますので基本的に納期は即納です。基板単体での購入も可能です。

256点の接点信号を10㎞離れた地点へ送るためには、送り側に伝送メイン基板(ULP03)を1台、8接点入力基板(LAC-8IN)を32台、受け側には8点リレー出力基板(LAC-8RY)を32台設置する。

256点の接点信号をA地点からB地点へ送る省配線システムですが128IN/128OUTの双方向伝送も可能です。またC地点やD地点に入出力したり、同一情報をOR動作でさまざまな箇所で出力することが可能です。広大な浄水場の監視盤(約300点のI/O)の移設にも使用しています。

~電線種別不問 配線方法自由 分岐自由 終端不要 ツイスト不要~
究極の省配線

ユニバーサルライン機器一覧価格表はこちら

ユニバーサルラインのメリット

電線の使用量が100分の1になります

簡単な省配線システムのイメージ図

多点のぞろ引きと異なり、0.5秒の伝送遅延が発生しますがノイズにとても強い伝送です。長距離(数㎞以上)ではぞろ引きよりも省配線で確実に接点信号のON/OFFが伝送できます。

どんな電線でも使えます

ノイズの多いケーブルでも省配線の伝送として使えます。
電線が足りない時にIV、VCT、CPEV、CPEV-S、AE線、OP線、CVV、VVF等がすべて伝送として使えます。
ただし被覆の素材と厚みにより伝送距離が異なります。素材が塩化ビニールの場合はポリエチレンよりも静電容量が大きくなります。また厚みが薄いほど静電容量が大きくて信号がなまります。省配線で行う伝送距離が下がる為、細い電線を長距離伝送で使用する場合は注意が必要です。

伝送内のON/OFF状態が見えます

伝送ライン上の全ての情報が瞬時に見えるユニモニターを設置することで、電線内のON/OFF状態が確認できます。赤いLED(16×16)が各接点信号のON/OFFです。

256接点のON/OFFがリアルタイムでわかるユニモニターの写真です。電線の中をどこからでも見ることができます。

画像をクリックするとユニモニターの詳細がご覧いただけます。

配管材料、敷設費用の大幅削減が可能です

電線の他に、配線経路のスペースや配管の太さや施工費用等が大幅に低減できるので、端末側に伝送ユニットを設置してもはるかに経済的なシステム構築が可能になります。写真は80回線の監視と10点の制御を行っている監視盤です。伝送ラインは1対+電源線ですべてのことをまかなっています。ケーブル敷設、接続費用が大幅に削減され、工事費のコストダウンに寄与しました。

分岐が非常に簡単です

多芯ケーブルの分岐は端子台のスペースの確保と作業が困難で、多くの費用が発生します。ユニバーサルラインの場合は2本をパラレルに接続するだけで256点までの信号分岐であれば、簡単に出来ます。分岐箇所が多ければ多いほどトータルコストが下がり、工事費のコストダウンになります。

追加、増設の費用低減、工期短縮が可能です

幹線工事が不要なので、施工後の信号追加やシステム変更が非常に簡単に行えます。必要な箇所からパラレルに分岐して既存と異なるI/Oアドレスを割付けることで、256点までの増設が可能になります。

ユニバーサルラインの1:1の監視制御を増設でN:Nに増設した場合のイメージ画。途中増設も可能。

分岐方法、配線方法に制限がありません

CCリンクやRS485等の一般的メタル伝送では、1.2Kmまでの距離制限、一筆書きの配線、分岐方法制限、接続局数32点までのノード制限、端末の終端処理が必要、指定したケーブル使用等、さまざまな配線方法の制限があります。ユニバーサルラインはそれらの制限がほぼありません。伝送距離は1箇所で140km(約50kmx3系統)の納入例もあります。どのような配線でも1対が間違いなく接続されていれば確実に動作します。分岐する箇所、分岐点数はほぼ無制限です。接続局数は1点分散型が約1000点近くの納入例も多くあります。端末の終端処理は不要です。電線やケーブルの種別は問いませんが、距離に応じた適度な太さと通常の線間、対地絶縁は必要です。分岐した各端末の終端処理は不要です。そこからのノイズ程度では誤動作はしません。

一般的伝送(一筆書き)の場合は終端処理が必ず必要だが、ユニバーサルラインなら配線方法無制限で終端処理不要です。

メイン装置の増設、移設が簡単です

ぞろ引き配線方式やノードの限定された伝送方式の移設はケーブルの引き換え量が多く、終端や分岐箇所の修正などが大変です。ユニバーサルラインは元来ブロードキャスト的な通信がどこからでもできるため、メイン装置を移設や増設が必要な場所に設置し、1対の線を接続する簡単な作業で完了します。設定変更等一切なく再起動し、当然終端処理作業も不要です。

ぞろ引きの場合、主盤の移設は新設よりも大規模な工事になります。主盤の移設はさらに手間がかかります。
ユニバーサルラインの場合、主盤の移設も増設もとても簡単です。(複数設置も可能)

超精密工作機械を作っている工場に約200箇所の詳細な室温を管理するシステムを納入していますが、管理事務所の移転に伴う移設工事を簡単に行えた事例があります。

接点、アナログ、パルス信号の混在伝送が可能です

ユニバーサルラインはON/OFFの接点信号と混在して、パルス積算データや各種のアナログ信号を双方向で同時に送ることができます。このため従来個別のケーブルを使用して伝送していたものが、1対の電線のみで可能になります。例えば温度信号であれば温度をデジタルに変換して重みを付け(0.1℃ 0.2℃ 0.4℃ 0.8℃ などのように)、積算パルスデータであれば2進表示にして接点位置に割付て伝送します。これらのアナログ信号伝送はポーリング方式を採用しているため、最大1,912点のアナログ計測も可能になります。

2本線で混在伝送
アナログ、デジタル、パルスの混在伝送イメージ画

数mVの微弱なアナログ信号も10Km(2sqの線使用の場合)確実に接点信号と混在して伝送できます。

プログラムレスで伝送が可能です

ユニバーサルラインはメインユニットのクロックに同期してすべての端末が動作しているため、シーケンサのようなプログラムは必要ありません。プログラムレスで伝送ができます。アナログ信号でも接点信号でも、アドレスが一致すれば遠隔地のON/OFF状態やアナログ値をそのまま出力します。

ユニバーサルラインはプログラムが不要
シーケンサの取込みにはプログラムが必要ですが、ユニバーサルラインならアドレス設定一致で動作するのでプログラムが不要です。

ぞろ引き(個別パラ)配線よりノイズに強いです

伝送を使用しない普通の電線でも非常に長い配線の場合や非常にノイズレベルの高い場合、長い電線にかなりの高電圧が誘起されます。このためシーケンサの入力がONする場合もあります。また交流の制御系で距離がかなり長い場合、2本の電線間の静電容量が大きくなります。制御接点がOFFなのに静電容量経由でマグネットSWがONになる場合や、ONが切れずに継続する場合があります。ユニバーサルラインは伝送ラインの波形整形回路を取り入れた上で、長距離伝送回路を形成していますので伝送路、電線長の具合によってはぞろ引き配線よりノイズに強い場合が多くあります。

ぞろ引き配線方法の誤動作
ぞろ引きの場合、ノイズ電圧の誘起があります。

高ノイズ環境の施工例

予備配線の流用で費用の大幅削減になります

ユニバーサルラインは伝送に使用する電線の種別を問いませんので、多くの場合既設ケーブルの遊び線や配管の予備線が使用できます。これらの予備配線を使用することで幹線工事不要で、多点広域の監視制御計測システムを構築することができます。(予備配線を使用する場合の注意事項

予備線の流用伝送は多くあります。下の機器構成は九州のモノレールの各駅舎の非常押しボタンの集中管理システムの例です。

集中監視を行うために、多対ケーブルの予備1対を多重化して、約10㎞間の各駅舎の非常押しボタンスイッチの接点信号を伝送に使用しました。

各端末は電源不要タイプを採用しているので個々の駅舎が停電でも確実に警報を送ります。

小倉モノレールでの施工例

さらに既設配線の多重化で幹線工事が不要です

予備線の無い場合でも多重伝送は可能です。例えば広い工場の両端やビルの屋上と地下の間に警報ランプ回路等があればその回路を多重化できます。
使用している線の両端を切り離してユニバーサルラインのI/Oユニットを取り付ければそれで完成です。そして既存信号用にI/Oアドレスを一つ割付ければ従来通り使用できます。
あとは、多重化されたその線で256点-1点=255点の接点信号やアナログ信号が双方向で使用できます。勿論途中分岐も自由にできます。これが究極の省配線です。無線やPLC(電力線搬送)と異なり、長期間の安定した伝送が可能になります。

減水の警報監視で使用していた1対の電線をそのままで多重化できます。減水に加え、機械故障、温度監視、ポンプ停止、警報出力、照明制御出力等、監視制御盤を増設することで用途が拡がります。

設計が決定していなくても工事着工が可能です

伝送遅延の把握と最大の監視、制御、計測点数が決まれば詳細設計は後からでも可能です。
1対の線で256点の接点信号等がN:Nの伝送で可能になるので、分岐増設予定の箇所に端子台を置き電源も含めた2ペア、もしくは伝送予備も含めた3ペアの配線を敷設しておけば、後日どのような仕様変更があっても幹線工事の変更無く、着工できます。

工場のイメージ写真

LANケーブルの空き線を利用した伝送が可能です

LANと省配線のユニバーサルラインは使用する周波数が大きく異なるため、同一ケーブルを使用した通信が可能になります。
既設の100BaseTのLANケーブル(カテゴリー5)は4芯(4,5,7,8ピン)空いています。周波数が極端に異なるので空き線を利用して既設LANのデータ伝送に影響を与えずに伝送ラインとしても使用できます。

LANケーブルの空き線を分配器で分けてLANケーブルの空き線をユニバーサルラインで使用します。

LANの耐ノイズ性試験、ユニバーサルラインとの相性試験について

動画でわかるユニバーサルライン・採用メリット

ユニバーサルラインの伝送遅延について

ユニバーサルラインは時分割で1対の線を利用している為、伝送点数により下記の時間遅延があります。

伝送点数 遅延時間
32点 0.07秒
64点 0.13秒
128点 0.25秒
256点 0.5秒

以上のように省配線による伝送遅延が発生する為、常時高速性を求める場合には向きませんがラインナップは256点用でも端末側の記憶処理により信号幅60msがとれる接点入力ユニット、1msサンプリングアナログユニット、30Hzカウンタユニット等があります。
また長距離伝送を基本とし、24Vのクロックを採用していますので放送、インターホン等の線との同一ケーブルでの伝送、長距離の同一経路密着配線等はクロストーク(漏話)が発生する場合があります。そのような場合は事前確認が必要です。

このように一長一短ありますのでユニバーサルラインの使用できる範囲の用途でお使い頂ければ、特に長期的な運用、長距離の運用において真価を発揮します。日進月歩の高速性は追求しません。最新IT機器との融合した機能拡張はしますが、本来の省配線の基本性能はいつまでも継続して踏襲します。

弊社の企業理念として、長期間変わらない仕様でいつまでも互換性を継続し、お客様が使われる限りはいつまででもサポートいたします。

長期運用施工例はこちら

ユニバーサルラインの概念

ユニバーサルラインの時分割多重伝送とは下の図のようなものです。

2本の線をスイッチで切り替えて使用する時分割のイメージ図
イメージ図

上図の中央の2本の電線で省配線時分割多重伝送を行います。切替SW1とSW2を同じ時間で切替えて、複数の信号を2本の線で送ります。実際には①→②→③・・の各切替を0.002秒で行っています。これは電気のスピードでいうと非常に遅いスピードではありますが、信号幅が広くて安定しているためノイズに強い長距離伝送が可能です。実際の伝送には信号ON/OFFの途切れはありません。シーケンサのCC-Link等とほぼ同じ時分割の省配線伝送方式です。

【CC-Link等と異なる点】
◆ややスピードが遅くノイズに強い
◆どのようなケーブルや電線でも伝送として使用できる
◆長距離の伝送が可能で分岐箇所や分岐方法が無制限

ユニバーサルラインの時分割伝送について       ユニバーサルラインの技術資料

製品紹介

初めての導入におすすめのユニバーサルラインユニット

簡単配線詳細管理

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初めての導入におすすめの増設ユニット

マルチプレクサーツー
2接点を1対の線で送り2箇所の制御ができるマルチプレクサーツーの配線イメージ図

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ユニバーサルラインではありませんが、1対だけ電線が足りない場合におすすめの10㎞以上の伝送と接点増幅ができるユニットです。

ローコストで汎用パソコンによる監視、計測、制御、記録ができるユニット

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