長期間の互換性を踏襲している省配線システム-ユニバーサルライン!        お問い合わせ 06-6336-1690

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月刊[計装]に記事掲載

 


月刊 「計装」は媒体として40年余の歴史があります

 

日本の計装技術とともに
 昭和30年代前半、日本の産業が近代化へ進み始めた時代に、計装という言葉が
「INSTRUMENTATION」の訳語として生まれました。月刊「計装」は、計装技術を生産現場に定着させた媒体として高い評価と信頼を得ています。
*月刊「計装」の創刊は空気式パネル計装が始まろうとしていた時期でした。その年に石油学会が発足、第1回計測工業展が開催されています。

時代を先取りした誌面作りを行っています
 月刊「計装」は、雑誌の顔である表紙に先端技術を取材したグラビアページの一部を採用しています。
 これは表紙を広告ページとする技術雑誌に形態を脱し、次世代の技術媒体のあり方を求めていく姿勢を示したものです。
 時代を的確に捉えたオピニオンリーダであること、それが媒体に対する読者の信頼を新鮮に更新し、広告のコミュニケーション効果を最大限に引き出すものと、月刊「計装」は考えます。


 

 

月刊『計装』2004年1月号 抜粋


伝送カウンタシステムによる工場ユーティリティの省エネ管理

1、 はじめに
温暖化、異常気象など 省エネ気運の高まる中で省エネルギ管理を徹底するにはまずリアルタイムなエネルギ使用量の現状把握が非常に重要である。月1回、週1回のエネルギ使用量計測では仮に省エネの努力をしても他の要因に埋もれて努力の評価ができなくなり、さらなる省エネ努力の妨げになる。リアルタイムなエネルギ使用量の現状把握のための手段として当社の伝送カウンタ及びそれをベースに構築したユーティリティ管理システムは非常にローストでこれらの管理をすることが可能になるのでその内容を紹介する。

2、伝送カウンタ
カウント機能と伝送機能を持った伝送カウンタ「AD3」は電力、ガス、水道、蒸気、圧縮空気、油等のユーティリティの使用量を測りそれをパソコンで一元管理するためのカウンタである。
機能的には電力センサ、流量計、各種変換器等からの接点もしくはオープンコレクタによるパルス信号を伝送カウンタ内の不揮発メモリに記憶するカウンタで、そのカウンタには個々に設定できる1~250までの個別のIDを持ちパソコンとデータ通信のできる機能を持ったものである
写真1のように非常にコンパクトでシンプルなものである。実勢価格も1万円以下で非常に安価な新しいコンセプトの高機能カウンタと言える。



写真1 伝送カウンタ AD3

カウンタには2本線に伝送上の制限なくパラレル接続できる伝送ラインが接続され、パソコンからそのカウンタのIDを指定して個別に現在値をプリセットできる。また伝送ラインとは別の入力よりカウンタに取込んだ電力量計等のパルスデータはこのプリセット値に加算されるので現場のメータ指示値に合わせた形での管理が可能である。積算値は不揮発メモリに記憶されるのでパソコンがダウンしてもあるいは停電してもその内容は電力量計等の近くに設置されたカウンタに保持されている。
この伝送ラインは2本の線でカウンタへの電源供給とカウントデータの読み書きのできる双方向通信と250台までの時分割多重伝送を同時にサポートしているので2本の線で250台のユーティリティ管理が可能になり安価な工事費用で多点の省エネ管理ができるものである。



図1 伝送カウンタシステム概要

4、伝送ライン
長距離伝送が可能なノイズに強いユニバーサルライン(商標)と名付けられたこの伝送システムは文字通り自由自在に配線、接続できる伝送ラインで15年の連続使用実績があり現在も各地で継続して使用されている500BPSの伝送である。端的には接点信号を256点双方向で送るものであるがその接点信号に積算値などのバイナリデータやA/D変換したアナログデータを割付けることで安定してデータ伝送ができるようにしたものである。

ユニバーサルライン伝送仕様
伝送方式 時分割多重伝送 双方向ブロードキャスト
伝送速度 500BPS 伝送遅延 0.5秒
伝送ビット 256BIT/1スキャン 回線増設時1024BIT
伝送距離 直線2Km(1.25sq) 総延長5Km以上
伝送内容 接点信号、パルス、アナログ

長距離伝送において例えば100Mbpsの光ファイバで100箇所の電力メータの検針をする場合に一瞬の休みもなしに連続計測したとしても実際に必要なデータ量は伝送容量の1/10万ぐらいである。このような使い方であればその倍数分 信号幅を広くすれば長距離伝送に耐えノイズに強い伝送が可能になる。人の作業を補完する用途であれば人のスピードが進化しない限りこれらの用途は陳腐化しないで永久に使用できる。不必要な高速性を追っかけるほど製品寿命を短くして既設装置との互換性を欠き客先に不用な投資を強いることになる。このようなコンセプトで開発された伝送システムで低速ではあるが10Km先の警報信号でも0.5秒で監視できて各種 (時間的、設備的、ソフト的、コスト的) 変換ロスの無いシステムを構築することができるので最近は高速化の時代ではあるが逆に用途が増大している。伝送カウンタもこのユニバーサルラインのラインナップの一つである。
伝送信号幅を広くすると伝送端からの幅の狭い反射にも影響を受け無いので終端処理が不要で分岐が自由な配線工事が可能である。さらにノイズに強い特徴はケーブル等の選択が容易になる。通常データ伝送に使用する電線はいろいろと制限が有るがユニバーサルラインの場合は文字どおりどのような電線でも使用できる。

図2 信号の伝送方法 (時分割で複数の機器が2本線を共有する)

5、ユーティリテ管理システムの構築
図3は伝送カウンタを使用したユーティリティ管理システムの機器構成である。それぞれの伝送カウンタには電力の使用量、ガス、水道、蒸気、圧縮空気、油等の流量に応じて発生するドライ接点もしくはオープンコレクタのパルス信号を取込めるように接続する。機器によっては4-20mAのパルス信号のものもあるがその場合は変換器経由で無電圧パルスとして取込む。
伝送ラインはパソコン側のRS232C変換ユニット(伝送用電源兼用)より2本の配線で伝送カウンタまで接続する。

図3 ユーティリティ管理機器構成

実際の使用例として、このシステムを導入して部門別の電気使用量や水道使用量の管理を行い、想像していなかった電気の無駄使いや無意味なオーバーフローによる水道水の流失の防止等、各所で威力を発揮している

・使用するケーブル
伝送ラインに使用する電線はノイズに強い伝送なので特にシールド線、ツイストペアである必要はない。動力線の予備線でも使用可能である。ただし重要なデータが重複して乗り、長期に使用することが考えられるので経年劣化の少ないケーブルが望ましい。



図4 使用できる電線と伝送のイメージ

・配線方法
配線方法はT型分岐、ツリー接続、ループ接続、一筆書き、細線ダブル等どのような配線方法が混在してもかまわない。伝送用電源から電源を供給する要領で接続すれば動作する。終端等は一切不用。
伝送距離は伝送電源の電圧降下で制限される。接続点数にもよるが1.25sqで直線2Km以上総延長5Km以上が可能。さらに距離を延ばす場合は線をダブルにするか太くすれば延びる。
・パソコンソフト
管理ソフトは安価な汎用ソフトと一部カスタマイズする準汎用ソフトの2種類あり用途、規模により選択できる。汎用ソフトは66MhzのWindows3.1の古いパソコンからからXPまで使用できる。
RS232Cの通信プロトコルは開示することができるので独自構築、SCADA、シーケンサ等他のソフトで現場からのデータをそのまま利用することも可能。あるいは余分な画面なしでリアルタイムなCSVファイルで提供することも可能。


図5 ユーティリティ管理画面

6、システムの特徴
従来パソコンで多点の省エネデータ等を計測管理する場合には多機能な計器の信号の一部を各種の制限のあるRS485等で取込んだり制御が得意のシーケンサのI/O増設機能、リンク機能を利用して単なる中継装置として使用する場合でも余分なユニットを組み込んで構築する冗長なシステムが多く工事費も含め多額の投資が必要なため省エネ、コストダウンの目標が宙に浮く場合も多かった。
このような多点の分散した省エネ管理でもこの伝送カウンタシステムを利用することにより直接現場のデータが容易にパソコンの中に入りエクセル等で利用することができるので目的の達成に短時間で威力を発揮する。また管理点数の増設に対してもその近くの伝送ラインをT型に分岐して伝送カウンタを取付けてIDを設定するだけで可能なので非常に拡張性が高い。
さらに同じ伝送カウンタで生産データを同時に取込むことができる。
例えばライン状に流れる製品の場合は製品1mごとのパルスを取込み、バッチ生産の場合はその検出光電センサ等のパルスを取込む。そしてその生産量と同時刻のエネルギ使用量を比較すれば即座にエネルギ原単位の算出も一つのシステムで簡単に構築できる。

7、システムの拡張
このシステムは多くの拡張性を秘めていてこのままの状態から自由に機能を増設することが可能である。
・回線増設
RS232C回線1ポートに対して伝送ラインは4回線まで同期増設でき1024点(1024ビット)までの処理が0.5秒で可能になる

・ラインナップ
伝送カウンタ「AD3」のシリーズには各種のラインナップがある。これらはすべてユニバーサルライン上に混在して接続でき同一プロトコルで各種のデータ収集が可能になる。これら複数のデータに合わせたシステムを組むことで省エネシステムの拡大、あるいは生産管理、総合工場管理、予知メンテナンスシステム等のトータル的な管理も可能になる

同一伝送ラインに接続できるユニット
■AD1 1点入力ユニット 機器のリアルタイムON/OFF監視
■AD2 1点出力ユニット 照明、空調等の制御用
■AD3 1点カウンタユニット 本文の伝送カウンタ
■AD4 1点時間積算ユニット 稼動時間管理、部品交換管理
■AD5 デマンドログカウンタ 30分積算35日間ログ
■AD8 周波数カウント 速度計
■AD9 電文カウンタ 水道局準拠の電文をカウント値にして伝送
■UL8AD-C 8点のカウントユニット 1ラインで最大8×250=2000点計測可
■UL8AD-T 8点の温度計測ユニット 1ラインで最大8×250=2000点計測可
■UL8AD-A 8点4-20mA入力ユニット 1ラインで最大8×250=2000点計測可
■UL8AD-V 8点の0-5V計測ユニット 1ラインで最大8×250=2000点計測可
■UL1DA 1点アナログ出力ユニット 電流、流量等アナログ値の遠隔表示等


図6 同一伝送ラインを使用して拡張できるシステム


8、おわりに
リレーシーケンスが華やかりし頃は1ビットの記憶の物理的体積は50CC程度あったのが現在のパソコンやシーケンサ等のメモリでは1ビットの記憶している体積は針先で突付いた点の体積以下でそこに蓄えられたカスミのような電荷の有無により大きなモータが動いたり止まったりしている。FAでは1ビットの重みが非常に重要であるが高速化、大容量化、高機能CPUによる補完機能等で大切な1ビットがぞんざいな扱われ方をしている場合もある。
高度に発達したIT化の時代ではあるがすでに存在する重要な信号がデータとして有効利用されていない場合も多い。変流器二次側の5A、変成器の110V、4-20mA信号、パルス、接点あるいは個別生産情報の集約している積層表示灯等。これらの既存の設備、既存の信号をパソコンに直接取込み有効に生かすことで大きな投資をしなくてもトータル的な省エネ管理、生産管理が可能になる。例えば個別に集めた省エネ情報をパソコンに取込み最近のパソコンに付属しているWebサーバで配信すれば既存設備を有効利用して個々の省エネ努力の結果を全部署で共有しながら閲覧できる。あるいは部署、機械、担当者ごとの生産性関連の信号を収集し工場中に開示すれば全体で進捗状況を把握できトータル的な歩留まりの向上に努めることができる。
IT化と言えども話題性、風評に流されない考え方で整合性のとれた低速化、小容量化、既存信号の有効利用も環境破壊等の面から考えると時には必要である。人のスピードに合わせた伝送のユニバーサルラインと伝送カウンタは1ビットの信号を大切に扱い独自の省配線特許と長年のノイズ克服のノウハウをベースに 安価で汎用の高機能パソコン、インターネット、新しいインターフェース等との組み合わせにより従来の資産を大事にしながらユーティリティ管理の省力化、省エネルギの推進に用途を拡大している。


豊中計装㈱ 技術部
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